なちゅらるはい

映画の感想とか独り言とか

セブン

今日は母と一緒に父の誕生日プレゼントを探しに行くついでに、魔女の秘密展を見に行きました。歴史的背景を考えながら魔女狩りや魔女の条件などが展示されていて、キリスト教との繋がりなどなど勉強になることがたくさんありました。

そんな今夜はセブンを見ました。セブンはキリスト教における七つの大罪を意味するんですよね。

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1995年の映画で、ブラット・ピットとモーガン・フリーマンが主演、ブラット・ピットの妻役にグウィネス・パウトロー

7日後に定年を控えた敏腕刑事サマセットと新人刑事のミルズは、汚物まみれになりながらスパゲッティに顔を埋めて死亡するという猟奇的な殺人事件の現場に急行する。現場には「暴食」と書かれており、二人は七つの大罪に見立てた連続猟奇殺人事件を追うことになる。

ざっくりと、こんなあらすじのサイコ・サスペンス

この映画はまず、引き込む力がすごい。スタイリッシュで印象に残るオープニングや、死体とその殺害方法。無理やり食べさせた後に腹を蹴って内臓破裂で殺すとか、強欲弁護士にベニスの商人みたいに1ポンドきっかり自分で肉を切らせるとか。七つの大罪に見立てて行われる殺人はどれも説教じみたもので、犯人の自己顕示欲やある種の性癖みたいなものが伺えてすごく胸糞悪くなる。あとは、登場人物の考え方に頷ける部分があるのも引き込まれる要素だよね。例えばサマセットは日常に潜む"無関心"の怖さを語るんだけど、これってみんな感じることだよね。今年に入って痴漢されてる女の子を助けたんだけど、そのとき周りはみんな見て見ぬ振りしててすごく怖かったのを覚えてる。無関心は自分が生きていく上で必要なことだと思うし、誰しも避けられないことだけどそれが犯罪を助長させるのも事実だよね。ミルズが「自分が関心を持てばいい」っていう言葉も正しいと思う。

あとはやっぱりラストシーンというか、最高のバッドエンドが印象的だよね。
ラストに向かっていくにつれ色々な伏線がたつの。「奥さんから電話よ」とか。どうやってかけんだよって感じだけど。犯人が自分を棚に上げて世界は腐ってるから自分が見せしめて学ばせてやるんだって話してる時なんてなんだか警報が鳴り続けてる気分だったもん。(あとニーチェの超人哲学を読んで起こしたイギリス人猟奇殺人犯を思い出した)

さきに書いたサマセットとミルズの考え方なんだけど、ミルズは初心で世界に対して諦念してないしすごく真っ直ぐなんだよ。だからこそのあのエンディングだし、ミルズだからこそ降りかかった悲劇なんだろうなと。

ここから先は余談なんだけど、犯人はジョン・ドゥ(名無し)、これって誰しもが犯人になりえる暗示っぽいよなあとか、七つの大罪ってもともと九つって習ったなあとか、サマセットの定年7日前にこんな殺人が起きるなんておかしくないかとか、ラストの台詞ってどっちの意味なんだろうとか、ミルズは憤怒として撃ったのか、撃つことは本当に罪で負けになってしまったのかとか、いろいろ考えることは多いよね。どうなんだろう。

一回や二回じゃ理解しきれない映画でした。